那須与一伝説で知られ玉藻前が化した殺生石を見下ろす湯泉神社

那須温泉神社

栃木県那須郡那須街にある湯泉神社は、平家物語に登場する弓の名手・那須与一が祈願した伝説で知られる由緒ある神社です。九尾の狐の玉藻前が化したという殺生石や那須湯本温泉の町並みを見下ろす高台に鎮座しており、スキーや湯治とあわせて観光で訪れる人も多いのが特徴です。奥の細道の松尾芭蕉も立ち寄って那須与一愛用の鏑矢を拝観した記録もあります。

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那須温泉神社のアクセス方法や駐車場は

那須温泉神社は、人気の古湯・那須湯本温泉のメインストリートのいちばん外れに近い場所にあります。そのためマイカーで訪れる場合には、東北自動車道の那須インターチェンジから栃木県道17号の那須街道を、ひたすら那須岳の頂上に向かって進むイメージです。それほど急峻というわけではありませんが、なだらかに坂道が連続していますので、軽自動車などのパワーが弱い自動車で訪れる場合には、後続車にも注意しながら安全運転を心がけるとよいでしよう。那須温泉神社の境内手前の足湯がある辺り、それを越えて境内に入った見立神社の手前に、それぞれ無料の駐車場が整備されています。混雑する場合は少し離れますが殺生石下にも駐車場があり、距離的には徒歩で参拝できる範囲です。
公共交通機関によるアクセス方法は、JR東北本線の黒磯駅で下車し、関東バス那須湯本行きに乗り換えて約35分ほど、那須湯本バス停で降りて徒歩約1分となります。ちょうど正面鳥居の下にバス停や足湯がありますので、乗るバスさえ間違えなければ、それほどアクセスは困難ではありません。

那須温泉神社の御朱印や初穂料・受付時間

那須温泉神社の御朱印は、正面の一の鳥居入って階段を上った先の左側にある授与所でいただくことができます。延喜式内温泉神社の墨書の上に丸い社印が押されます。初穂料は300円で、御朱印の受付時間は9時から16時までとなっています。なお、通常は御朱印帳を持参すれば手書きしてもらえますが、年末年始(12月27日から1月14日まで)の期間は初詣客などが多く大混雑するため、御朱印は書き置きのみの対応となります。
その他、騎馬で弓を引く那須与一と九尾の狐、殺生石があしらわれたオリジナル御朱印帳を初穂料1,600円で頒布しており、こちらも欲しい場合は授与所の営業時間の9時から16時までに訪れるとよいでしょう。

那須温泉神社の御祭神とご利益

那須温泉神社は平安時代の延喜式に載る式内社で、古い歴史があります。御祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)であり、商売繁昌、家内安全、病気平癒、身体健全、縁結びなどのご利益があります。また、平家討伐の際、屋島の戦いで扇の的を射抜いた那須与一がこの神社に祈願したところから、必勝祈願の意味でも大きな御利益が期待できます。授与品では一矢必中守や九尾のおまもりなどがあり、ともに初穂料は700円です。

那須温泉神社の基本情報

住所 〒325-0301 栃木県那須郡那須町大字湯本182
電話番号 0287-76-2306
公式ホームページ http://nasu-yuzen.jp
受付時間 9:00〜16:00

那須温泉神社の歴史・由緒や御祭神

那須温泉神社の歴史・由緒や御祭神について、社頭の案内板に次のとおり記載されています。

延喜式内 温泉神社
創立
第三十四代舒明天皇の御代(六三〇年) 狩野三郎行広、矢傷の白鹿を迫って山中に迷い込み神の御教により温泉を発見し神社を創建、温泉の神を祀り崇敬の誠を尽くした。狩野三郎行広は後年那須温泉開発の祖として見立神社祭神として祀られる。
祭神 大己貴命(おおなむちのみこと) 少彦名命(すくなひこなのみこと)
相殿 誉田別命(ほんだわけのみこと)
大己貴命は別命大国主命(大国様)と申し上げ縁結び、商売繁盛、身体健全、温泉守護、の神として信仰されています。少彦名命は国土を耕し鉱山や温泉を開拓し薬等を作った神であり温泉の神として広く崇敬されている。誉田別命は八幡様とも申し上げ武運の神として尊ばれ勝運を祈る神である。
由緒
正倉院文書延喜式神明帳記載(九二七年)によると温泉名を冠する神社は十社を数える。上代より当温泉神社の霊験は国内に名高く聖武天皇の天平十年(七三八年)には都より貴人が那須に湯治に下った事が載せられている。従って神位次第に高まり清和貞観十一年(八六四年)には従四位勲五等が贈られている。文治元年(一一八五年)那須余一宗隆、源平合戦屋島の戦に温泉神社を祈願し見事扇の的を射、名声を轟かせ後一門を挙げて厚く崇敬した。
建久四年(一一九三年)源頼朝那須野原巻狩の折小山朝政の射止めし九岐大鹿角を奉納。
元禄二年(一六八九年)俳人松尾芭蕉「奥の細道」をたどる途中温泉神社に参詣、那須余一奉納の鏑矢等宝物の拝観、殺生石見物等が曽良の随行日記に載せられている。
大正十三年(一九二二年)摂政宮殿下(昭和天皇)の行啓を仰ぎ那須五葉松のお手植えを頂く。
大正十一年(一九二〇年)久邇宮良子女王殿下御参拝、那須五葉松のお手植えを頂く。
一、例大祭
十月八日 湯汲祭 献湯祭
十月九日 献幣祭 神幸祭
一、本殿 慶長十二年(一六〇七年)那須資晴の建立
一、幣殿、拝殿 昭和六十年十月竣工
一、社務所 平成二年十月竣工
一、見立神社 祭神 天児屋根命、狩野三郎行広 温泉発見の功により合祀 例祭 五月二十七日
一、祖霊社 日清、日露、大平洋戦争による氏子の戦没者並びに地元の神葬祭家の祖先を祀る 慰霊祭 春秋彼岸並びに八月十五日(中元祭)
一、愛宕神社 火産霊命(ほむすびのみこと) 例祭 四月二十四日
一、九尾稲荷 例祭 二月初午
一、那須嶽神社(茶白嶽山頂鎮座) 開山祭 五月八日 閉山祭 十一月八日
一、昭和天皇御製皇太后御歌碑 平成三年七月竣工
一、大鳥居 八幡型 高さ九、○四メートル 奉納 東京 人見隆清
一、水琴窟 奉納 東京 福田鏡二
一、愛宕福神水 奉納 同 同
一、灯篭 六十四基