萱葺きの伝統建築が残る大内宿の外れにたたずむ高倉宮

高倉神社

高倉神社は福島県南会津郡下郷町、萱葺きの伝統建築が立ち並び観光客でにぎわう大内宿の外れにひっそりと鎮座する神社です。御際神は「以仁王の令旨」で知られる以仁親王で、平家の軍勢に討たれずに落ち延びて大内宿に潜伏していたという生存伝説も残されています。

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高倉神社のアクセス方法と駐車場

高倉神社は大内宿の鎮守にあたりますので、マイカーでドライブする場合にも、まずは大内宿を目指して進むことになります、大内宿は奥会津の山中にありますので、磐越自動車道の会津若松インターチェンジからは国道121号をひたすら南下し、途中で県道329号線に入って車で45分、東北自動車道の白河インターチェンジからであれば、国道289号と国道121号を順に乗り継いで車で1時間程度となります。
冬場は路面が凍結しますので、基本は春から秋(11月ごろから降雪)のシーズンに訪れるのがよいでしょう。

現地には有料駐車場と無料駐車場があります。大内宿の町並みにもっとも近いのが有料駐車場で、普通車300円、マイクロバス500円、大型バス1000円となっています。駐車場には公衆トイレや観光協会事務所があります。
この有料駐車場の手前に無料駐車場がありますが、距離的にそれほど離れているわけではありませんので、お金がもったいないと思う場合は無料駐車場を利用してもよいでしょう。

マイカーでひとつ注意したいのはアクセス道路の渋滞です。大内宿は山奥とはいえ観光名所としてかなり名が知られるようになりましたので、ゴールデンウィークなどの行楽シーズンには、かなり手前の国道121号や国道118号のあたりまで渋滞することがあります。
駐車場を増設したので渋滞は以前よりは緩和されていますが、それでも最も混雑する日には朝9時ですでに駐車場が満車ということがありますので要注意です。

公共交通機関で大内宿にアクセスする方法ですが、JR会津若松駅から会津鉄道線に乗り換えて湯野上温泉駅まで向かいます。
4月1日から11月30日の毎日、湯野上温泉駅から大内宿に向かう乗り合いバス猿游号が出ていますので、これに乗るとよいでしょう。湯野上温泉駅から大内宿間のバスの所要時間は20分ほどです。バス停は駐車場の前にあります。

有料駐車場と県道を挟んで反対側に、大内宿のメインストリートの入口があります。ここからは地元の関係車両以外は車両通行禁止です。したがって横断歩道を渡って以降、観光客は徒歩で大内宿の町並みを楽しむことになります。
メインストリートは舗装されておらず、地面がむき出しになっていて、歴史的な風情がありますが、このメインストリートのちょうど中央に木製の大きな鳥居があり、これが高倉神社の一の鳥居になります。
一の鳥居をくぐってそのまま参道をまっすぐ徒歩で進めばよいのですが、実は神社の位置は一の鳥居から400メートルも離れていて、果たしてこの道で合っているのかと途中で不安になるほどです。少なくとも鳥居を目印にすれば間違いはないはずですので、我慢して次の二の鳥居が見えてくるまでひたすら歩きます。
二の鳥居がある方向に道を曲がると、木々で覆われた丘の上に高倉神社の本殿が鎮座していて、参道には無数の剣が奉納されています。

高倉神社の御朱印は大内宿駐車場近くの社務所でいただける

高倉神社は大内宿の町並みからはかなり離れていることもあって、社殿がある場所には実は社務所がありません。しかし高倉神社の参拝の証となる御朱印がもらえないわけではなく、別の場所に社務所がありますので、そちらを訪れればよいだけです。

高倉神社の社務所の位置ですが、大内宿有料駐車場から県道の横断歩道を渡ってメインストリートに入り、最初に目にする民家のような建物です。よく見ると玄関にしめ縄が張られていて、その上に「高倉神社々務所」の木の看板が掲げられています。
ほかに「南仙院分家」の看板もあり、こちらのほうが目立ちますので、注連縄と「南仙院分家」を目印に探してみてください。御朱印をいただく際の初穂料は特に決まりはなく、気持ち程度の金額でよいとのことです。

高倉神社の由緒とお祭りについて

高倉神社の歴史・由緒や伝統行事の「半夏祭」について、現地案内板に次のとおり書かれています。

高倉宮と半夏祭
今より八百年前、高倉天皇治承四年庚子(西暦一、一八〇年)当時、平家が政権をひとりじめにす。後白河法皇第二の皇子高倉の宮以仁王源三位頼政の勧に依り、平家追討の令旨を源氏に降さる。
謀事漏れ戦し利あらず。頼政宇治平等院にて自刃し宮を東国に落し奉る。其時供奉の官人また武士も随従し、上野の国より旅なれぬ深山を所々宿り此の地を行宮となし、終りに当村にて薨じ給う。
此の村、元は山本村と言いしが、村民宮を慕い尊み大内村と改唱し、宮を氏神鎮守と尊崇せり高倉神社という。
毎年七月二日(半夏生)高倉神社の「はんげ祭り」が行なわれる。神社に於て、天下泰平、村中安全、氏子の無病息災を願う神事の後おみこしが神社を出発。古式にのっとり、村 中総出(七〇余名)の行列は「静静」と宿場内をお渡りになられます。
一方此の屋台は、笛、太鼓でにぎやかに楽人たちを乗せ揃いのハッピ、鉢巻姿の子供たちに引かれ「ヤッカショー」のかけ声で行列の後のつづき祭りをいっそう盛り上げるのです。
こうして、子供の時から、山ふところにいだかれた村人たちは、年に一度のおまつりを楽しみにしてはぐくまれながら大事に今に引き継がれているのです。