天守閣の下に八陣の庭が見える岸和田城

岸和田城

岸和田城は、大阪府岸和田市にある城郭跡です。『岸和田志』には楠木正成の部下だった和田高家が築いたとされていますが、この人物の実在性は疑問視されています。天正年間、羽柴秀吉家臣の中村一氏がこの城を守っていたところ、根来衆の猛攻を受けたものの、無数の蛸が現れて根来衆を退散させたという「蛸地蔵」の伝説があります。寛永17年(1640)には岡部宣勝が入城し、明治維新まで岡部氏歴代が岸和田城主として君臨しました。岡部宣勝の入城の際には、沼村の川崎久左衛門らが欄干橋において強訴し、死罪に処せられています。

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岸和田城のアクセスと駐車場

岸和田城は大阪府岸和田市岸城町9-1にあります。
公共交通機関を使う場合、南海本線「蛸地蔵駅」から歩いてすぐです。
南海本線「岸和田駅」南口からも歩いて約5分です。
岸和田市地域巡回ローズバス(南ループ) であれば、「市役所前」バス停で下車して徒歩約5分です。
マイカーやレンタカーであれば、阪神高速4号湾岸線「岸和田南出入口」で出て約5分となります。
隣接して岸和田市営駐車場があり、普通車は2時間200円、以後1時間ごとに100円です。

岸和田城と八陣の庭

岸和田城庭園、通称「八陣の庭」は、昭和28年(1953)に作庭家である重森三玲(しげもりみれい)氏が作庭したものです。
芸術的および学術上の価値が高いことから、平成26年に国名勝に指定されました。
現地の案内板には次のように解説があります。

庭園の平面は、三重の屈曲線で仕切られた上・中・下三段で構成されています。これは諸葛孔明「八陣法」をテーマとしたもので、中段には「虎」、「風」の各陣を配置し、下段には「天」を、「地」、「雲」、「竜」、「鳥」、「蛇」の各陣を配置しています。これらの石組みは、360度どの方向からも観賞できるように設計されています。

岸和田城天守閣の復興

岸和田城の天守閣は、江戸時代にすでに落雷で焼失しており、明治時代には廃城令によって残りの櫓なども破却されため、本来は堀と石垣以外に当時のものはほとんど残っていませんだした。戦後の昭和29年(1954)になって、3層3階の天守が復興されています。ただし、本来岸和田城は5 層天守であったといいます。

岸和田城の営業時間と料金

岸和田城の開場時間は、午前10時から午後5時まで(入場は午後4時まで)です。ただし、「お城まつり」期間中の指定日は、午後8時30分まで(入場は午後8時まで)となります。
休場日は、毎週月曜日(月曜日が祝日・休日の場合、及びお城まつり期間中は開場)、年末年始(12月29日~1月3日)、その他展示替えの期間です。 
天守閣の入場料は、大人300円、中学生以下無料です。団体割引や障害者割引もあります。