花笠音頭やムサカリ絵馬、住職との握手で良縁が得られると評判の若松観音

若松観音

若松観音(若松寺)は山形県天童市の山中にあり、花笠音頭の歌詞にも登場する有名な寺院です。行基開山という古い歴史をもち、観音堂は国の重要文化財です。独身のまま亡くなった子のために架空の花嫁と一緒に描いて奉納する独特の民俗・ムカサリ絵馬も絵馬堂に多数奉納されています。住職と握手して良縁に恵まれたという報告がテレビでも話題になったことがあり、予約をして訪れる若い女性も多くみられます。

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若松観音のアクセス・駐車場とシャトルバス

若松観音は直線距離でみれば天童の市街地からそれほど離れているわけではありませんが、市街地東部にそびえる山の奥深くに位置しているため、マイカーでも坂道を延々と登るかたちとなります。東北中央自動車道の天童インターからは車で約20分、山形自動車道の山形北インターからは約30分となります。一本道をひたすら登って山の頂上までいけばアスファルト舗装された無料の駐車場やトイレ棟があります。ちなみに、冬場は雪が積もるため4WD車以外は通行できなくなりますので注意が必要です。
元朝参り(初詣)や旧正月7日の鬼やらいなどの大きな行事に際してはシャトルバスが運行されます。たとえば元旦には山麓の若松公民館近くの臨時駐車場を出発する若松観音行き無料シャトルバスが8時から16時まで随時運行します。

若松観音の御朱印のもらい方

若松観音の正面が駐車場になっていますので、ここから境内にそのまま入って参道をまっすぐ進むと突き当りに納経所があります。ここで若松観音の御朱印をいただくことができます。御朱印の志納料は300円です。そのほかにも境内の紅葉をあしらった若松観音オリジナルの御朱印帳があり、こちらは1200円です。若松寺は最上三十三観音第一番札所であるとともに、山形百八地蔵尊第七十番の札所でもありますので、地蔵尊の御朱印もあわせていただくことができます。

若松観音の縁結び祈願祭

若松観音では4月から12月までの毎月第1日曜日に縁結び祈願祭を開催しています。時間は10時からで、縁結び祈願と法話がその内容になります。場所は若松寺のなかでも高台に建つ観音堂のなかで、祈願料は1000円です。この縁結び祈願祭は人気があり、比較的広い観音堂もほぼ満員になりますが、個別の祈願と違って、この縁むすび祈願祭については予約の必要はありません。また、若い男女だけではなく、地元の人や息子・娘の良縁祈願に訪れる人など、中年や年配の人も参加しています。

若松観音の歴史や文化財

若松観音の境内の案内板には次の通り記載されています。

若松寺の文化財

国指定重要文化財 若松寺観音堂 昭和三十八年七月一日指定
桁行五間・梁間五間・一重・入母屋造・銅板葺
寺の草創については明らかでないが、寺伝によれば、行基によって開基され、のちに慈覚大師によって山頂から現在地に移された。
現在の堂の建立時期は、様式手法からみて、室町時代末と考えられる。のち、慶長十六年(一六一一)に山形城主最上義光によって大修理が行われた。その後も小規模な修理が行われたが、昭和四十一年から四十三年にかけて全面解体修理が行われた。
室町時代末の建築様式や技法を知る貴重な文化財である。

国指定重要文化財 板絵著色神馬図 昭和四十三年四月二十五日指定
横板五板をはぎ合せて奉納額に仕立て、平烏帽子に白の着衣の人が神馬を牽いている図を著色して描いた絵馬である。
左上に筆者郷目右京進貞繁奉納の銘が墨書されてある。
永禄六年(一五六三)に、寒河江の大江氏の家臣である貞繁が亡くなっために奉納したものである。神馬の躍動する筆力から貞繁の非凡な画才を知ることができる。(縦一六三・〇cm、横一八二・五cm)

国指定重要文化財 金銅聖観音像懸仏 昭和二十五年八月二十九日指定
懸仏仏は、円板の中央に仏像を取り付けて寺院又は神社の壁に懸け置くもので、御正体ともいわれる。
この懸仏は、直径七六センチの銅製円板形の中央に聖観音の坐像を取り付けたもので、光背は頭光、身光を備えている。
弘長三年(一二六三)に成生荘の藤原真綱らが奉納した。

山形県指定有形文化財 納札及び巡礼札(十枚) 昭和三十年八月一日指定
室町後期の延徳四年(一四九二)から永禄六年(一五六三)にわたって若松寺に納められた。いずれも木製で長さ六四センチメートル、幅一〇・六センチメートルを最大とし、長さ四〇センチメートル、幅九センチメートルを最小とする。文字は、陰刻し札の上部に種子(観音)もしくは日輪、月輪を、その下に納札の事由を記す。十枚中七枚は西国三十三観音巡礼をして納めたものである。中世の庶民の宗教生活を物語る資料である。

天童市指定有形文化財 木造行基菩薩薩坐像 昭和五十九年三月十九日指定
天童市指定有形文化財 木造文殊菩薩坐像 昭和五十九年三月十九日指定
天童市指定有形文化財 木造不動明王立像 昭和五十九年三月十九日指定
天童市指定有形文化財 木造狛犬(一対) 昭和五十九年三月十九日指定

昭和六十一年三月一日 天童市教育委員会