全国でも珍しい創建時から犬猫を祀る由緒ある神社・犬の宮と猫の宮

犬の宮

犬の宮と猫の宮は、山形県高畠町にある神社です。ペットブームで最近になって犬猫の供養を始めた神社仏閣は全国にみられますが、創建当初から犬猫を祀ることが目的だった神社といえば、この犬の宮・猫の宮以外ではあまり例がないのではないでしょうか。犬の宮にはテレビ東京『ペット大集合!ポチたま』で人気を博した初代の「まさお君」(ラブラドール)をはじめ、亡くなったペットの遺影が多数掲げられています。

広告

犬の宮・猫の宮のアクセスや駐車場

東北中央自動車道の南陽高畠インターチェンジを降りて高畠町の市街地方面に進み、途中の分岐から国道399号に入ると、車で約10分ほどで犬の宮・猫の宮に到着します。国道399号沿いに「犬の宮・猫の宮」の道路標識が立っていますので、見逃さないようにドライブすることが大切です。途中の道は細いものの、看板どおり進めば犬の宮・猫の宮の入口が広い駐車場になっており、公衆トイレも設置されているのですぐにわかります。この駐車場からは徒歩で参道を上りますが、犬の宮・猫の宮とも比較的小さなお宮で、それぞれ駐車場をはさんだ場所にあります。

犬の宮・猫の宮のペット供養祭とは

犬と猫を祀った珍しい犬の宮・猫の宮では、毎年1回、全国ペット供養祭が開催されていますので、家族の一員として亡くなったペットを供養するよい機会となります。犬の宮・猫の宮は神社ですが、神仏習合で管理しているのは別当寺と呼ばれるお寺ですので、僧侶の読経による追悼供養となります。
例年ですと7月の最終土曜日(令和元年は7月27日)、9時30分現地受付、10時から供養祭となり、参加費は4000円(祈祷料、塔婆、赤飯・土産含む)です。供養2体目より追加料金2千円、お札は別料金で犬・猫ともに1枚5百円です。
参加する場合は事前に高畠町観光協会に申し込みが必要ですので、観光協会のホームページを見るとよいでしょう。

犬の宮・猫の宮の歴史と由来

社頭の案内板には次の通り記載されています。

犬の宮由来記
昔(和銅年間の頃)この高安村は毎年春秋の二回、都の役人に人年貢を差し出す事になり村人が難渋していました。
ある時、道に迷った旅の座頭が一夜の宿を乞い、村人から不思議な年貢取立ての話を聞き及び、何物かの仕業と推察、村人に悪魔退散の策を授け座頭は村を去った。
村人達は早速、役人を酒席に招き甲斐の国から借りて来た、三毛犬、四毛犬を放ったところ、大乱斗の末、倒されたのは役人ではなく二匹の大狸と多数の荒狸であり傷ついた二匹の犬も、まもなく死んでしまいました。
この村の大難を救ってくれた二匹の犬を村の鎮守とせよ、との座頭のお告げにより、崇めまつったところ、この里は難産もなく生れる子供は無難に育ち村が栄えたと云う。
又この地に生息した高安犬は強い耐久力と 激しい闘魂をもつ優秀な狩猟犬として有名である。 (戸川幸夫『高安犬物語』)
平成六年一月 高畠町 高畠町観光協会

猫の宮由来記
延暦年間の頃(和銅より約七〇年後)この村に、信心深い庄屋夫婦がいた。二人には子供がなく 丈夫な猫が授かるよう祈っていた。ある夜観音様が夢枕に立ち「猫を与えるから大切に育てよ、さすれば村中安泰、養蚕が盛んになる」と、お告げがあり授かった猫は「玉」と名付け、大変可愛いがり丈夫に育てたが歳月がたつにしたがい不思議な事に、何処へ行くにも傍をはなれず、何物かを狙うが如き睨み据え、その異常さに思いあまった主人は、ある日隠しもった刃で切り捨てた。
ところが猫の首は天井裏に飛び隠れていた大蛇の首に噛みつき殺してしまった。大蛇は昔、犬に退治された古狸の怨念の姿であり、猫は(観音様の化身)庄屋夫婦を守るための振舞いだったのです。村人は庄屋を救った「玉」をねんごろに葬り、観音堂を建てその供養を行い恩徳を偲び「猫の宮」と称した。以後村人は猫を大切に育て養蚕が盛んになり、安泰な生活が続いたと伝う。
(清松院縁起聞伝書による)
昭和五十三年六月
高畠町
高畠町観光協会