大伴家持が勧請し新湊曳山まつりや映画「人生の約束」の聖地でもある放生津八幡宮

放生津八幡宮

放生津八幡宮は富山県射水市にあり、万葉歌人の大伴家持が国司として赴任の際に勧請した神社で、今の宮司も子孫の大伴家です。華麗な曳山が登場する毎年10月1日の「新湊曳山まつり」はこの神社の例大祭で、松の木の依代に山の神オンババの人形を飾る築山行事も見どころのひとつです。

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放生津八幡宮のアクセス方法や駐車場

放生津八幡宮は射水市のなかでも海寄りの市街地にあり、マイカーであれば北陸自動車道の小杉インターから約25分、富山駅からであれば約30分です。放生津八幡宮境内は平地なので鳥居の内側に駐車できますし、境内裏手の徒歩2分の場所に新湊漁港の駐車場も別にありますので、マイカーで来た場合も不都合はありません。

公共交通機関の場合は、万葉線の「東新湊駅」から西へ徒歩約5分です。すぐ南側に隣接して新湊大佛と千体佛で知られるパワースポット光山寺、近くにも新湊きっときと市場や海王丸パークなどの見どころがありますので、あわせて観光してもよいでしょう。

放生津八幡宮の御朱印

放生津八幡宮の御朱印は、かつてこのあたりの海岸が奈呉の浦とよばれていたので中央に「奈呉乃浦大神」の墨書があり、金箔が押されています。本殿西側の社務所でいただくことができます。
近年は竹野内豊、江口洋介、西田敏行が共演する映画「人生の約束」のロケ地として話題となり観光客が増えたため、狛犬をあしらったオリジナル御朱印帳も、初穂料1冊1500円で頒布されています。放生津八幡宮の狛犬は拝殿に安置されている大きな木造のもので、天才彫刻家・矢野啓通が19歳の時に手掛け、射水市の文化財に指定されています。

放生津八幡宮の住所や営業時間など基本情報

住所 〒934-0025 富山県射水市八幡町2-2-27
電話番号 0766-84-3449
営業時間 9:00~16:00
休業日 無休
拝観料金 無料

放生津八幡宮や築山行事の歴史

社頭の案内板に次の通り書かれています。

放生津八幡宮
天平十八年(七四六)大伴宿祢家持卿が 越中の国司として赴任。奈古之浦の風光を愛して豊前の国字佐八幡神を勧請して奈古八幡宮を興す。後、北條時政が再興したと伝えられる。正和年間(一三一ニ~)放生津城名越時有が社殿を造営、永禄年間(一五五八~)上杉謙信の兵火にかかり焼失、放生津城主神保長職が再興した。嘉永三年(一八五〇)四月、十三代加賀藩主、前田斉泰公が放生津の砲台場を見分の折り参拝奉幣す。安政四年(一八五七)七月、智恩院第七十一世萬誉上人(当地出身)の依頼により左大臣近衛忠熙公が真筆の神額を奉納した。
社殿は高瀬輔太郎の傑作で、拝殿の大狛犬は矢野啓通の作品である。十月一日、秋季例大祭の神輿渡御に供奉する豪華な十三本の曳山は、慶安三年(一六五〇)の創設で元禄十年(一六九七)に出揃った。翌日、本祭日に飾られる築山並びに放生会神事は、古代の素朴な信仰形式を継承する貴重な民俗資料である。
昭和五十四年九月 (社)射水市観光協会

富山県指定無形民族文化財 放生津八幡宮築山行事
古代の信仰では、神は海上または天上から祭に迎えるものとされた。当八幡宮の築山は、九月三十日午後五時、海から御祖神を迎える。固定した築山が動く曳山に発展したと考えられ曳山の原形の形態及び古代祭祀の形式を知るうえでまことに貴重な民俗文化財である。
築山は、十月二日大祭の昼間だけ飾る。境内の古松を背景にして、その前に西面して作る。上段の唐破風神殿 の屋根に主神の蛇神(俗称・オンババ)があたかも天上から舞い降りたように立ち、下段の四隅には多聞(北)、持国(東)、増長(南)、広目(西)の四天王を配し、ほかに客分として客人などを飾る。
古来、石動山の伊須流伎比古神社(廃絶)と二上山の射水神社(近年復活)にもあり、主神の形体から「手なし」「足なし」「口なし」と呼ばれたが、由来や伝承にはなお不明な点が多い。
当八幡宮の築山は、天正(一五七二~)のころ復活し、元禄五年(一六九二)から現在まで連綿として伝承され「足」なしの姿をかたどる。
祭事に用いるお面は、いずれも室町・桃山時代の名作古面である。
平成二十一年七月
放生津八幡宮
射水市観光協会