霊犬早太郎伝説を残し参道のヒカリゴケや紅葉の美しい名勝庭園で知られる光前寺

光前寺

長野県駒ヶ根市赤穂にある光前寺は、天台宗の別格本山の寺院で、霊犬早太郎伝説で知られます。光前寺の住職が世話をしていた霊犬早太郎はしっぺい太郎ともよばれ、遠州見附で化け物退治をした山犬で、「まんが日本昔ばなし」や「ゆるキャン△」などテレビでアニメも紹介されています。境内の庭園は国史跡に指定され、杉の参道の石垣からはヒカリゴケがのぞいています。

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光前寺のアクセス方法と駐車場

住所 駒ヶ根市赤穂29番地電話
電話番号 0265-83-2736

光前寺は中央アルプス山麓にあり、マイカーやレンタカーでもっともアクセスがしやすく、中央自動車道の駒ヶ根インターチェンジから車で3分ほどです。
駐車場は仁王門前をはじめとする第1から第3駐車場までが境内のごく近くにあり、普通車70台ほどが駐車できます。大型バスの駐車場もあります。駐車場は参拝者であれば無料で駐車できます。

公共交通機関の場合は、JR飯田線の駒ヶ根駅から市営のコミュニティバス「こまちゃんバス」が以前は出ていましたが、全面廃止されてデマンドタクシーに移行してしまっています。

光前寺の御朱印

光前寺の正面にある仁王門からまっすぐ参道を歩くと三門、弁天堂・十王堂、本堂と一直線に続いています。途中は石垣の隙間からヒカリゴケが見られますが、その参道の途中右側に御朱印所があり、ここで御朱印をいただくことができます。
ノーマルなのは本尊「不動明王」の御朱印ですが、ほかにも犬型の朱印がある「霊犬早太郎」の御朱印などもあります
光前寺のオリジナル御朱印帳は、南信地方唯一の三重塔と霊犬早太郎の木像などをあしらったデザインのもので、志納金1600円です。
ほかに犬型の陶器のなかにおみくじが入っている「早太郎みくじ」500円なども頒布されています。

霊犬早太郎伝説

光前寺の霊犬早太郎、当時の遠州見付にあたる今の静岡県磐田市ではゆるキャラ「しっぺい」にもなっている悉平太郎に関しては、境内に次のように案内が書かれていまます。

霊犬早太郎(ハヤタロウ)の伝説

今よりおよそ七百年程前、光前寺に早太郎という強い山犬が飼われていました。
その頃、遠州(静岡県)見付村では、田畑が荒らされないようにと、毎年祭りの日に白羽の矢の立てられた家の娘を、いけにえとして、神様にささげる人身御供という悲しい習わしがありました。
ある年、村を通りかかった旅の坊さまは、神様がそんな悪いことをするはずがない、その正体を見とどけようと、祭りの夜に様子をうかがっていると、大きな怪物が現れ、「信州の早太郎おるまいな、早太郎には知られるな」などと言いながら、娘をさらっていってしまいました。
坊さまは早太郎に助けを求めようとすぐ信州へ向かい、光前寺の早太郎をさがし出すと、早太郎を借りて急いで見付村へと帰りました。
次の祭りの日には、早太郎が娘の身代わりとなって怪物と戦い、それまで村人を苦しめていた怪物(老ヒヒ)を退治しました。
早太郎は傷つきながらも光前寺までたどりつくと、和尚さんに怪物退治を知らせるかのように、声高くほえて息をひきとってしまいました。
現在光前寺の本堂の横に、早太郎のお墓がまつられています。
また早大郎を借り受けた旅の坊さまは、早太郎の供養にと「大般若経」を写経し光前寺に奉納いたしました。この経本は現在でも、光前寺の寺宝として大切に残されております。