弘法大師の旅壇具を保有し西寺と呼ばれる四国八十八箇所の札所・金剛頂寺

金剛頂寺

高知県室戸市の金剛頂寺は、四国八十八箇所の第26番札所で、この一帯では第24番札所の最御崎寺を東寺(ひがしでら)と呼ぶのに対し、西寺(にしでら)と呼ばれています。かつては女人禁制の霊場で、平安時代に弘法大師が各地を巡錫したときに用いたという「金銅旅壇具」などの国重要文化財を数多く保有しています。境内には鯨供養塔などがあるほか、宿坊もあるため遍路旅での宿泊も可能です。

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金剛頂寺(西寺)のアクセス方法と駐車場

金剛頂寺は四国の東の最果ての地に当たる室戸岬に近い場所にあり、もしも公共交通機関でアクセスするのであれは、土佐くろしお鉄道ごめんなはり線奈半利駅から高知東部交通バスで約30分、元橋バス停で下車し、へんろ道の坂道を登って約20分ほどかかります。

マイカーやレンタカーでアクセスする場合は、高知自動車道の南国インターチェンジから国道55号を通って1時間30分程度となります。境内の真下に平面駐車場があり、普通車200円で駐車可能となっていますが、特に駐車場に料金の自動精算機やゲートなどがあるわけではありません。また宿坊を利用する場合は、さらに境内脇の坂を登って西側に進入口があります。

金剛頂寺の御朱印

金剛頂寺には正面の本堂や境内東側の大師堂のほか、さまざまな寺宝を収蔵した霊宝殿があり見どころのひとつですが、霊宝殿を拝観するには予約が必要です。この霊宝殿手前に納経所があり、志納料300円で御朱印をいただくことができます。墨書きの部分は本尊の薬師如来の名が記されます。

金剛頂寺の由緒

現地の案内板に次の通り書かれています。

金剛頂寺(二十六番札所 西寺)
金剛頂寺(十六番札所通称西寺)は弘法大師が大同二年(八〇七)平城天皇の勅命を受け建立され嵯峨天皇により国家鎮護の勅願道場とされた古刹である。
大師が一刀三礼し彫ったといわれる薬師如来像は、自ら動き出し本堂に鎮座したといわれる。大師堂の横には大師が一粒の米を入れて炊くと万倍に増えたと言う一粒万倍の釜、重宝殿には、大師の金銅旅壇具ほか、仏像美術品の文化財が多く納められている。
また、泉井守一氏寄進の鯨供養釣鐘のほか八〇〇〇頭鯨供養碑が建ち、捕鯨具などが展示されている。その他貴重な土佐捕鯨資料も残されている。
また県指定天然記念物「ヤッコソウ」の自生地でもある。ヤッコソウは椎の古木の根により生ずる植物で、奴に似ているのでこの名が付けられた。古道場であったため明治初年まで女人禁制であった。
室戶市教育委員会