十二単を着た弁財天や珍しい三重塔がある三河の三明寺

三明寺

愛知県豊川市にある三明寺は、豊川弁財天の名前で知られる曹洞宗の寺院です。本堂内には十二単をまとった弁財天像が国重要文化財の宮殿のなかに安置されており、12年に1度の衣装替えがあります。この弁財天は平安時代の三河国司・大江定基が力寿姫の菩提を弔うために製作してこの寺院に奉納したという伝説があります。また、境内の入り口に建つ三重塔は室町時代のものであり、1層2層が和様、3層が禅宗様となっている点が珍しく、国重要文化財に指定されています。

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三明寺のアクセス方法と駐車場

住所 豊川市豊川町波通37
電話番号 0533-86-9661

三明寺はJR飯田線の豊川駅、および名鉄豊川線の豊川稲荷駅からすぐの市街地にあります。これらの駅の南を歩いて5分ほどで着きますので、交通の便はかなりよいところです。

マイカーやレンタカーの場合ですと、東名高速道路の豊川インターチェンジを出て、車でおよそ5分となります。駐車場は境内の周囲に参拝者用のものがいくつかあり、無料で駐車可能です。

三明寺の建築物

三明寺境内にある建築物について、案内板には次のとおり書かれています。

三明寺 三重塔
国指定重要文化財
明治四十年五月二十七日指定
三明寺は、寺伝によれば大宝二年(七〇ニ)の創立といわれています。平安時代の末に一度戦火にあい焼失しましたが、南北朝時代に、後醍醐天皇の皇子無文元遷が遠州方広寺に行く途中ここに立ち寄り、その荒廃を嘆いて再興したと伝えられています。
諸堂中最も古いこの三重塔は、享禄四年(一五三ー)の建造で、総高一四・五メートルの杮葺の小塔です。
一層、二層を和様に、三層を禅宗様にしたのが全国的にも珍しく、三層の軒の反り、扇垂木、鎬のある尾垂木などに禅宗様の意匠が認められます。
豊川市教育委員会

三明寺本堂と本堂内宮殿
本堂
愛知県指定文化財 平成4年2月28日 指定
正徳二年(1712)に再建された桁行五間・梁行五間の本瓦葺きの本堂です。堂内の天井は格天井で極彩色画が描かれ、彫刻ともに大らかで元禄・正徳年間頃の特徴をよく表しています。
この本堂再建に際しては、豊川村の有力者であった中田(小笠原)四郎右衛門義忠親子が近隣の四十八か村から数千人に及ぶ人足の協力を得て工事を進めたという古文書も残っています。
建築にあたった大工は、牛久保村の岡田善三郎成房ですが、地元大工の優れた技量と知恵がうかがえ、近世の東三河の地方的な特色を備えた仏堂といえます。
宮殿
国指定重要文化財 昭和28年3月31日 指定
宮殿は本堂内にあって、本尊の弁財天を安置する厨子です。天文二十三年(1554)の建造で、一間社流造、高欄脇障子付の縁を巡らし、屋根は柿葺きです。桁行・梁間ともに1m余、高さ4m余の木造建物で、小社殿の趣を持ちながら、柱・屋根などの主要部材や組物・垂木などの細部に至るまで良好
に保存されており、室町時代末期の様式をよく伝えています。
豊川市教育委員会

本願光悦入定の塚(四五〇年前)
この塚は前住開山出羽国(東北地方) の出身で、仏縁あり 当山の宮殿を建立する 和尚は余命を悟り厳しい修行の入定を発心、七日間塚の中で独経され、弘治二年二月十七日に示寂される。この塚に松を植え後世の人に語り伝えられた。