慈照寺(銀閣寺)

寺院
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慈照寺は、京都府京都市左京区にある臨済宗の寺院です。一般に「銀閣寺」の名で知られており、室町幕府8代将軍・足利義政が開いた東山山荘が起源となっています。境内には楼閣建築の観音殿(銀閣)や池泉回遊式庭園などが残り、東山文化の代表例として、国宝・特別史跡・特別名勝などの指定を受けているほか、ユネスコの世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成遺産にもなっています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 釈迦如来
所在地 京都府京都市左京区銀閣寺町2
交通 京阪電車「出町柳駅」から徒歩約10分
「京都駅」から京都市営バス(急行100系統)経由で約40分、「銀閣寺前」停留所下車、徒歩約6分
名神高速道路「京都東IC」から車で約20分
拝観料 無料
駐車場 なし
一般には境内から300メートル西の「京都市銀閣寺観光駐車場」(舗装済み、普通車1,000円)を利用
URL
連絡先 慈照寺事務局 075-771-5725

歴史・由来

慈照寺は、京都府京都市左京区にある臨済宗相国寺派の寺院で、相国寺の塔頭のひとつでもあります。

室町幕府8代将軍・足利義政が将軍職を子の足利義尚に譲った後、応仁の乱で灰燼に帰した浄土寺の跡地に文明14年(1482)に造営した東山山荘(東山殿)が起源となっています。

延徳2年(1490年)に足利義政が亡くなると、その菩提を弔うため寺院に改められ、寺号も義政の院号である「慈照院殿」にちなんで「慈照院」、後に「慈照寺」と定められました。

足利義政が存命だった長享3年(1489)に上棟し、3代将軍・足利義満の鹿苑寺舎利殿(金閣)に倣ってつくられた国宝の観音殿は、宝形造・こけら葺きの屋根を持つ2重の楼閣建築で、江戸時代に入ると「金閣」に対して「銀閣」と呼ばれるようになったことから、寺院全体としても「銀閣寺」の俗称のほうが一般に知られています。

銀閣の周囲には錦鏡池を中心とした池泉回遊式庭園が営まれ、中国の西湖の風景を模して向月台と銀沙灘(ぎんしゃだん)とよばれる2つの砂盛りが設けられています。これら庭園の多くは江戸時代に入ってから改修がなされたものですが、一部には足利義政の時代からの遺構が残り、国の特別史跡・特別名勝として指定されています。

入母屋造りの東求堂は、文明18年(1486)に足利義政の持仏堂として建立されたもので、特に「同仁斎」と呼ばれる四畳半の書斎には違い棚・床の間などが設けられ、「書院造」の原型とされており、こちらも国宝に指定されています。

平成6年(1994)には賀茂御祖神社清水寺などとともに、ユネスコの世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成財産にも登録されました。

車椅子で旅行するポイント

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【1】哲学の道付近の市営駐車場から200メートルほど銀閣寺参道を通り正面入口へ。総門まで凹凸ある石畳の坂道のため介助が必要。

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【2】総門を抜けると銀閣寺垣の間の参道を経て拝観受付・中門に出る。足元は固い砂地のような感じで概ね平坦になっている。

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【3】中門をくぐって境内を順路にしたがい移動。参道部分は概ね平坦で幅の狭いところを選ばなければ移動はできる。

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【4】お茶の井や展望台の方面は階段となり車椅子は不可。錦鏡池周辺の標高が低い部分の参道のみ移動できる。

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【5】一巡すると中門に戻って退出となるが、順路最後の中門脇には身障者トイレや円明院(土産物店)などの施設がある。




慈照寺(銀閣寺)境内図

境内配置図 [凡例]
方丈 東求堂 弄清亭 庫裡 書院 土蔵 研修道場 中門 拝観受付 向月台 銀沙灘 白鶴島 錦鏡池 仙人洲 銀閣(観音殿) 八幡社 朱印所 円通院 洗月泉 弁財天 お茶の井 展望台 月待山 銀閣寺垣 参道 総門 浄土院 世継茶屋 まつばや 法然院 樹下稲荷

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況
慈照寺(銀閣寺)には身障者用トイレなどの設備はあるものの、市営駐車場から入口までの距離が長く、総門付近も傾斜があるため、移動には介助が必要となる。
自動車がより境内近くに駐停車できればよいが、哲学の道付近から総門前のあたりまでは車両通行止め(9時~17時)となっており、これもアクセスを難しくする一因となっている。
境内に入ってしまえば割と平坦なので、山側の階段路を通らない限りはひととおり見て回ることは可能で、身障者用トイレも使える。
強いて自動車で境内近くに寄せるのであれば、一方通行に注意の上、法然院付近まで大きく迂回してから世継茶屋前に向かう細い生活道路を縦断して写真【1】の入口で降車、自動車はそのまま境内北側の関係車両以外通行止め付近(鉄扉で閉鎖されている)まで行ってUターンする方法があるが、いずれにしても面倒なことに変わりはない。

周辺の名所・観光スポット

京都国立博物館

明治30年(1897)に帝国京都博物館として開館したもので、バロック様式のレンガ造りの建物(特別展示館)自体が国の重要文化財に指定されている。内部には京都文化に関するものを中心としたわが国、東洋の文化財あわせて1万点以上が収蔵されている。
【身障者用トイレ・駐車場・スロープ・車椅子貸出・音声ガイドあり。手帳提示で身障者、介助者(身障者と同数)とも入館無料。】

■参考リンク:京都国立博物館