潮来長勝寺

寺院
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長勝寺は、茨城県潮来市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。文治元年(1185)に源頼朝が創建したといわれ、その後水戸藩主の徳川光圀が堂宇を修築しています。銅鐘は鎌倉幕府執権の北条高時が寄進したもので、鐘銘として中国の蘇州の風景に重ねた「常陸蘇城」の文言が鋳られており、国の重要文化財に指定されています。境内には元禄時代のものと見られる堂々とした唐様建築の本堂が残るほか、桜の名所としても知られています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 阿弥陀如来
所在地 茨城県潮来市潮来428
交通 JR鹿島線「潮来駅」から徒歩約10分
東関東自動車道「潮来IC」から車で約10分
拝観料 無料
駐車場 境内に舗装された無料駐車場(20台)あり
他にも入口に潮来市営長勝寺東駐車場(舗装済み・無料)あり
URL
連絡先 長勝寺 0299-62-3808

歴史・由来

長勝寺は、茨城県潮来市にある臨済宗妙心寺派の寺院で、文治元年(1185)に源頼朝が武運長久を祈念して創建したといわれています。

この寺院の銅鐘は、源頼朝の供養のため、元徳2年(1330)に相模禅定門崇鑑(執権・北条高時)を大檀那に、下総五郎禅門道暁(千葉家臣の木内胤長または結城家臣の山川光義という説がある)を大施主にして寄進されたもので、鎌倉円覚寺の清拙正澄(大鑑禅師)が鐘銘を撰文しており、国の重要文化財に指定されています。

ここには水運で栄える中国(元王朝)の蘇州になぞらえ、「客船夜泊 常陸蘇城 上延睿筭 下息戈兵」などと長勝寺がある常陸国行方郡の潮来津の繁栄ぶりが表現されてており、江戸時代に松平定信らが編纂した『集古十種』にも「常陸国潮来長勝寺鐘銘」として収録されています。

その後長勝寺は荒廃していましたが、江戸時代に入ると、元禄年間に水戸藩2代藩主・徳川光圀が堂宇を修築し、京都妙心寺から太嶽祖清を中興開山に迎えたほか、幕府からも寺領10石を安堵されています。

この長勝寺の本堂(仏殿)は元禄年間のものと見られる茅葺きの堂々とした禅宗様の建築で、朱色が鮮やかな楼門(山門)とともに茨城県指定文化財になっています。

ほかにも源頼朝お手植えと伝わる「文治梅」、松尾芭蕉の百年忌に『笈の小文』の冒頭句「旅人と 我名よばれむ はつしぐれ」を刻む句碑が建てられた「時雨塚」などの見どころや寺宝も多く、桜の名所としても知られています。

車椅子で旅行するポイント

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【1】長松寺正面の参道は総門・楼門と段差があるので市営駐車場の路地を入り境内駐車場まで迂回する。

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【2】境内駐車場は本堂や楼門の手前に位置しており舗装もされている。

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【3】勢至堂の脇から正面参道と合流し段差なく境内に入ることができる。

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【4】長松寺の本堂前。参道は石畳で周囲は玉砂利となっている。

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【5】そのまま時雨塚や庫裡方向にも行けるが門に2段の階段がある。




潮来長松寺境内図

境内配置図 [凡例]
本堂(仏殿) 客殿(方丈) 庫裡 鐘楼 時雨塚 文治梅 勢至堂 楼門(山門) 臥龍松碑(枯死) 総門 墓地 トイレ 市営長勝寺前駐車場 潮来保育所 潮来小学校 潮来土木事務所 稲荷山 土木事務所入口交差点 国道51号

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 長勝寺は正面参道から総門・楼門から行くコースでは段差があるが、市営長松寺前駐車場の細い路地を入って舗装された境内駐車場に駐車の上、勢至堂の脇を進めば段差なく境内に入れる。境内の参道部分は石畳で、その他は玉砂利が敷かれている。石畳の幅が狭い箇所は玉砂利に乗り入れてしまうので注意のこと。身障者トイレは境内にはないので、近場であれば200メートル離れた茨城県潮来土木事務所を利用することになる。

周辺の名所・観光スポット

水郷潮来あやめ園

「水郷潮来あやめ園」は、前川と常陸利根川との合流地点に近くに位置する面積約1.3ヘクタールの市営の観光施設で、約100万株のアヤメが植栽されており、毎年5月下旬から6月下旬にかけて開催される「水郷潮来あやめまつり大会」の会場となっています。橋幸夫の「潮来笠」や花村菊江の「潮来花嫁さん」といった名曲が流れる紀念碑が建てられているほか、あやめまつり期間中は潮来名物の「嫁入り舟」などのイベントも見ることができます。
【身障者用トイレあり】

■参考リンク:潮来市>水郷潮来あやめ園