歩崎観音

寺院
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歩崎観音は、茨城県かすみがうら市にある寺院で、行基が刻んだ十一面観音を祀ったのがはじまりといいます。観音が霞ヶ浦の湖上を歩いて難破しかけた船を救ったという伝承から歩崎観音の名が付けられました。境内からは霞ヶ浦が一望でき、「歩崎の眺望」として「茨城百景」に選定されています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 十一面観世音菩薩(観音堂)
所在地 茨城県かすみがうら市市坂921
交通 常磐自動車道「土浦北IC」または東関東自動車道「鉾田IC」から車で約30分
拝観料 無料
駐車場 山上、山下に舗装済みの無料駐車場(「歩崎公園駐車場」)あり
URL
連絡先 真如苑茨城本部長禅寺 029-896-0012

歴史・由来

歩崎観音は、茨城県かすみがうら市にある寺院「歩崎山長禅寺」の観音堂の通称です。

天平年間(729~749年)、旅の僧がこの地を訪れて山上に堂宇を建て、行基が刻んだ十一面観音を祀ったのがはじまりといいます。

天治年間(1124~1126年)にこの観音が霞ヶ浦の湖上を歩いて難破しかけた船を救ったという伝承から「歩崎観音」の名が付き、内水面の漁業関係者などから信仰を集めます。

寿永年間(1182~1185年)には竜女が難産のため観音に願掛けをし、無事に出産できたので、寺宝になっている小さな金の機織機(金機)が奉納されたといわれます。

現在の長禅寺が開基されたのは文明7年(1475)のことで、境内には日光東照宮の造営に携わった工匠が彫刻したという仁王像や、土浦藩主の土屋相模守から江戸末期に奉納された石造の常夜灯なども残り、安産や水上安全の御利益で隆盛していたことが知られます。

江戸時代には諸国を行脚した海量法師が住職を務めていたともいわれますが、次第に荒廃して住職無住の寺院となってしまったことから、戦後は真如苑が長禅寺を買い取って堂宇の大修理を行い、現在も観音堂の脇は真如苑茨城本部の建物となっています。

金色に彩色された十一面観音像は長らく33年に一度の御開帳となっていましたが、現在では毎年8月16日に境内周辺の歩崎公園を中心に行われる「あゆみ祭り」の際に一般公開されています。

境内を含む歩崎の地からは霞ヶ浦が一望でき、茨城県名勝、水郷霞ヶ浦国定公園、茨城百景などとして親しまれています。

車椅子で旅行するポイント

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【1】歩崎観音の表参道入口。霞ヶ浦の外周路沿いにあるが階段が続き車椅子は不可。

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【2】付近の歩崎公園(かすみがうら市水族館)には車いす用のトイレや駐車場もある。

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【2-1】多目的トイレ内部

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【3】坂を登って歩崎観音の北側に迂回すると舗装された歩崎森林公園駐車場がある。

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【4】歩崎観音北参道は自動車1台幅の舗装路で境内まで続く坂道となっている。

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【5】北参道の終点。表参道の階段とも合流し境内に段差なく入れる。

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【6】歩崎観音(長禅寺)の境内。仁王門から下は階段があるが本堂のある区画は玉砂利が敷かれ移動可。

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【7】本堂手前まで移動すると6段ほどの階段があり賽銭箱はその上にある。



歩崎観音境内図

境内配置図 [凡例]
広域図
歩崎観音 霞ヶ浦:琵琶湖に次ぐ日本第2の面積をもつ湖。観光帆引き船が運航し冬のワカサギ釣りでも有名。 歩崎園地:芝生広場がある湖岸の憩いの場。 志戸崎簡易郵便局 かすみがうら市水族館 歩崎公園駐車場 あゆみ庵:茶室。日本庭園と民家園を併設。 かすみがうら市歴史博物館:模擬天守の建物。帆曳船や漁具など郷土資料を展示。 歩崎森林公園:ローラーすべり台やアスレチックがある起伏に富む自然公園。 かすみがうら市農村環境改善センター:合宿・研修施設。 聖朋会デイサービスセンターあゆみ 茨城県道118号石岡田伏土浦線
詳細図
歩崎観音表参道 西参道 東参道 北参道 真如苑駐車場 真如苑茨城本部長禅寺 本堂(観音堂) 開運の鐘 水屋 仁王門 金毘羅神社 忠魂碑 常夜灯 展望台 折本良平翁記念碑:シラウオ漁を目的に人手が要らない風力による帆引船を発明した功労者の顕彰碑。 歩崎森林公園 歩崎園地 サイクリングロード(霞ヶ浦自転車道) 霞ヶ浦

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 歩崎観音は霞ヶ浦湖岸の表参道側は切り立った崖で階段となるので境内北側のかすみがうら市歴史資料館(城をモチーフにした建物)側に迂回する必要がある。北参道は自動車用の舗装された坂道のため、ここから境内に入れば階段は回避できる。境内は玉砂利が敷かれ本堂脇まで移動可。仁王門の下にも金毘羅神社の小祠や展望台などがあり、特に展望台からの風景は霞ヶ浦が一望できる絶景のはずだが階段のため車椅子では不可。身障者用トイレは霞ヶ浦湖岸のかすみがうら市水族館の入口前にあるものが利用できる。

周辺の名所・観光スポット

かすみがうら市水族館

かすみがうら市水族館は、霞ヶ浦湖岸の歩崎公園内にある市立の水族館です。霞ヶ浦に生息しているコイなどの淡水魚をはじめとして、タツノオトシゴなどの海水魚、オオサンショウウオなどの両生類、リクガメなどの爬虫類、ニジイロクワガタなどの昆虫類、あわせて150種類ほどの生物を展示しています。館内には360度を見渡せる円柱水槽や生物に直接触れられるタッチ水槽などもあります。

【身障者用駐車場・身障者用トイレ・スロープ・車椅子貸出あり。障害者手帳所持者と介助者1名無料】

■参考リンク:かすみがうら市水族館