東京水天宮

神社
神社
この記事は約5分で読めます。

水天宮は、東京都中央区にある神社で、福岡県久留米市にある水天宮の分社にあたります。江戸時代の久留米藩主・有馬頼徳が、領地で崇敬されていた水天宮を江戸の藩邸に勧請したのがはじまりです。毎月5日には特別に江戸庶民にも参詣が許されたことから、「情け有馬の水天宮」という言葉が生まれました。安産・子授けのご利益で知られ、現在は日本橋蛎殻町に移転し、ビル街の一角に新しい社殿が建てられています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 天御中主神、安徳天皇、高倉平中宮(建礼門院徳子)、二位の尼(平時子)
所在地 東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目4-1
交通 東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」(5番出口)から徒歩約1分(ただし、エレベーターは4番出口に設置)
首都高速道路6号向島線・9号深川線「浜町出入口」から車で約3分
拝観料 無料
駐車場 境内1階部分(水天宮の参集殿ビル内)に有料駐車場(「タイムズ水天宮」:営業時間7時から17時、出庫は19時まで可。駐車料金30分300円。収容台数40台)あり。ビルの東南方向が入庫口。
URL
連絡先 水天宮 03-3666-7195

歴史・由来

水天宮は、東京都中央区にある神社で、福岡県久留米市にある水天宮の分社にあたります。

本社にあたる久留米市の水天宮は、高倉平中宮(建礼門院徳子)に仕えていた按察使の局が筑後国まで逃れ着いて、建久元年(1190)に壇ノ浦に滅亡した平家一門の霊を祀る祠を建てたのがはじまりとされています。

江戸時代の文政元年(1818)、久留米藩の9代藩主・有馬頼徳(よりのり)は、領地で崇敬を受けていた水天宮を江戸の上屋敷に勧請しますが、これが現在の東京水天宮の起源です。

久留米藩上屋敷は今の東京都港区三田地内にありましたが、邸内の水天宮は江戸の庶民にも大人気で、塀の外から賽銭を投げ入れる者が後を絶たなかったため、藩では幕府に願い出た上で、毎月5日に限って藩邸の門を開放し、庶民の参詣を許すことにしました。

水天宮の安産・子授けのご利益は当時から広く喧伝されて参拝の行列ができるほどで、藩主のこのような温情ある対応に「情け有馬の水天宮」という地口(言葉遊び)まで生まれました。

明治時代に入ると、有馬邸の移転にあわせて青山へ、さらにかつての久留米藩中屋敷跡にあたる日本橋蛎殻町へと遷座し、現在では免震構造のビルの上に伝統的な神社建築が乗る形式の特徴的な新社殿に祀られています。

昔から犬は子だくさんでお産も軽いと信じられてきた上に、6代藩主・有馬則維が時の将軍・徳川綱吉から犬を拝領して以来、頼徳の代に至るまで、参勤交代の際には決まって行列の先頭に犬を連れて歩き、俗に「有馬の曳き犬」と呼ばれていたこともあって、特に毎月戌の日の安産祈願と「御子守帯」(みすずおび)頒布は大盛況となっています。

車椅子で旅行するポイント

明治神宮_1.jpg

【1】東京水天宮は地下1階、地上6階のビルで、水天宮前交差点からは2階部分に乗る社殿が見える。奥のビルも待合室や参集殿として活用されている。

明治神宮_2.jpg

【2】歩道から2階の社殿に上る参道は階段になっているが、建物の南東側には別の入口も開いている。

明治神宮_3.jpg

【3】建物の1階部分は有料駐車場となっており、営業時間内であれば参拝者の車両が入庫することができる。

明治神宮_4.jpg

【4】駐車場内または建物南東側の入口からエレベーターに乗ることができ、そのまま2階の社殿や上階の参集殿まで移動することができる。

明治神宮_5.jpg

【5】エレベーターを降りて東京水天宮の2階へ。フロア自体は平坦だが拝殿賽銭箱前に階段がある。右手のガラス張りの回廊のスロープから拝殿内に移動できる。



東京水天宮境内図

境内配置図 [凡例]
社殿 回廊 神札所(2階、エレベーターを利用する一般参詣者出入口を兼ねる) 参詣者待合 参集殿・家族待合(3階) 宝生弁財天 子宝いぬ 安産子育河童 手水舎 境内末社(正面左から秋葉神社・火水神社・高尾神社) 鳥居 駐車場入口 水天宮前交差点 東京メトロ水天宮前駅5番出口・4番出口 久松警察署水天宮前交番 東京都道50号東京市川線 東京シティエアターミナル

移動のしやすさ ★★★★★
バリアフリーの状況
東京水天宮の現社殿は「江戸鎮座200年記念事業」の一環として造替が行われ、平成28年から供用された新しいものであるため、ベビーカーを意識したバリアフリー構造のようである。
通常の参道は階段だが、ほかに参集殿のビル内にエレベーターが設置されており、階段を避けて社殿のある2階フロアまで移動することが可能である。1階からエレベーターに乗ると、2階の神札所に出て、ここから自動ドアで屋外の参道へと合流する。
屋外には社殿賽銭箱前まで至るスロープはなく、参拝は手前の階段下止まりとなるが、祈祷を受けるのであれば神札所からそのまま屋内に設置された回廊のスロープを通って社殿内部に至ることもできる。
トイレは複数箇所にあるが、このうち多目的トイレは参集殿1階にオストメイト対応の流し設備を持つものが設置されている。ほかに東京メトロ半蔵門線の水天宮駅構内にも身障者用トイレがある。
自動車でアクセスする場合、参集殿の建物南東側の出入口から1階および地下の有料駐車場(「タイムズ水天宮」)を利用できる。ただし、周辺道路に一方通行規制があるほか、戌の日に限っては大混雑のためしばしば満車となる。
地下鉄でのアクセスの場合、水天宮境内に最も近いのは5番出口だが、ホームから地上に出るには階段を通らなければならない。したがって、車椅子はエレベーターがあるロイヤルパークホテル前、東京シティエアターミナル方面の4番出口を利用せざるを得ず、境内から200メートルほど離れてしまうので留意のこと。

周辺の名所・観光スポット

明治座

「明治座」は、明治6年(1873)に開場して以来100年以上の歴史を持つ、わが国でも老舗の劇場のひとつで、東京都中央区の浜町センタービル内にあります。戦前から特に歌舞伎の公演で知られてきましたが、最近ではこれらに加えて演歌歌手のコンサートや演劇、漫才、落語などのさまざまな分野の公演の会場として利用されています。当日開演前に幕の内弁当の予約ができ、幕間のひとときに食事を楽しむのもこの劇場での定番の過ごし方となっています。
【身障者トイレ・エレベーター(係員に申し出を要する)・車椅子貸出あり。事前予約制で車椅子用観劇スペースの確保可。】

■参考リンク:明治座